【島崎藤村】おすすめ小説(あらすじ・感想・評価)

小説

著者:島崎藤村の紹介と代表作品

1872年3月25日、筑摩県第八大区五小区馬籠村(現・岐阜県中津川市馬籠)
死没 1943年8月22日(71歳没)

『破戒』『春』を執筆し、代表的な自然主義作家となった。
他にも、姪との近親姦を告白した『新生』、父をモデルとした歴史小説の大作『夜明け前』が有名。

 

破戒

発行日:1906年3月に自費出版し、1913年4月には新潮社が買い取り出版
発行元:自費出版→新潮社

  • 映画化(1948年版):1948年公開(配給:松竹)
  • 映画化(1962年版):1962年公開(配給:大映)
  • テレビドラマ化:1954年6月4日の18時15分~18時45分に日本テレビ系列にて
  • テレビドラマ化:1961年1月22日の20時~21時に、NETテレビ系列「NECサンデー劇場」にて
  • テレビドラマ化:1961年11月3日~12月29日、日本テレビ系列「文芸アワー」で全9回

 

あらすじ(裏表紙より抜粋させていただきました)
 明治後期、部落出身の教員瀬川丑松は父親から身分を隠せと堅く戒められていたにもかかわらず、同じ宿命を持つ解放運動家、猪子連太郎の壮烈な死に心を動かされ、ついに父の戒めを破ってしまう。その結果偽善にみちた社会は丑松を追放し、彼はテキサスをさして旅立つ。激しい正義感をもって社会問題に対処し、目ざめたものの内面的相剋を描いて近代日本文学の頂点をなす傑作である。
 
破戒:ひとこと感想と評価(2020年1月3日読了)

島崎藤村は、1872年3月25日に、現・岐阜県中津川市馬籠に生まれました。

『破戒』は1899年(明治32年)、藤村が27歳の頃から執筆され、1905(明治38)年に発表されていますので、執筆期間は約6年ということになります。

 

さて、自然主義文学のはしりともいわれる『破戒』ですが、夏目漱石は、「明治の小説としては後世に伝ふべき名篇也」と高く評価してます。

 

これほどの由緒ある小説ということで、かなり身構えて読み始めましたが、思いのほか読みやすく、ストレスなく読了することができました。

 

内容は、穢多という出自を隠しながら平民を装い生活する瀬川丑松を描いたもの。同じ出自の猪子連太郎は、自分が穢多であることを世間に公表しているにも関わらず、己の実力で作家という地位を築き上げ、十分な人権を確立している。丑松は猪子に憧れを抱き、自分が穢多であることを告白し、すべてをさらけ出そうと考えます。その感情が”父の戒め(出自を隠せ)を破る”ほころびとなり、警戒レベルを自ら下げていくことになります。そのゆるんだ気持ちが取り返しのつかないこととなり・・・というストーリーです。

 

終盤、丑松が教え子に謝罪する場面がありますが、この作品の「要点」はここにあると思います。

・丑松の謝罪は妥当だったのか

・謝罪が妥当とするなら、彼はいったいどのような罪を犯したのか

・謝罪の必要はないと考えるならば、丑松は何に突き動かされ謝罪したのか

これらの問いに明確な答えが用意されているとは思いませんが、一人でも多くこの問題と向き合うことが、120年前の島崎藤村からのメッセージのような気がします。

 

 

評価:9/10点

 

 

 

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