【伊坂幸太郎】おすすめ小説(あらすじ・感想・評価)

小説

著者:伊坂幸太郎の紹介と代表作品

千葉県松戸市生まれ。
東北大学法学部卒業。

東北大学法学部卒業後、システムエンジニアとして働くかたわら文学賞に応募、2000年『オーデュボンの祈り』で第5回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞しデビュー。

1996年『悪党たちが目にしみる』サントリーミステリー大賞佳作(2003年大幅改訂『陽気なギャングが地球を回す』)
2000年『オーデュボンの祈り』新潮ミステリー倶楽部賞
2004年『アヒルと鴨のコインロッカー』吉川英治文学新人賞
2004年『死神の精度』日本推理作家協会賞短編部門
2008年『ゴールデンスランバー』本屋大賞、山本周五郎賞
2014年『マリアビートル』大学読書人大賞
2017年『AX』静岡書店大賞

 

陽気なギャングが地球を回す

発行日:2003年2月10日
発行元:祥伝社

  • 映画化92分:2006年5月13日(土)公開(配給:松竹)

 

あらすじ(裏表紙より抜粋させていただきました)
 嘘を見抜く名人、天才スリ、演説の達人、精確な体内時計を持つ女、この四人の天才たちは百発百中の銀行強盗だった・・・はずが、思わぬ誤算が。せっかくの「売上」を、逃走中に、あろうことか同じく逃走中の現金輸送車襲撃犯に横取りされたのだ!奪還に動くや、仲間の息子に不穏な影が迫り、そして死体も出現。映画化で話題のハイテンポな都会派サスペンス!
 
陽気なギャングが地球を回す:ひとこと感想と評価(2020年1月3日読了)

4人のギャングり割り当てられた「特殊能力」の設定が面白い!

・ウソを見抜く天才

・スピーチの天才

・超正確な体内時計

・スリの天才

この中で、「スピーチの天才」とありますが、

なにこれ?銀行強盗で輝くの?と。すこし心配するくらいに、読み進めるとしっかりと活躍させてくれました。

この銀行強盗中のスピーチのくだりは大好きです。

 

さて物語は、コミカルにテンポ良く進みますが、成瀬と神崎の心理戦がとてもスリリングで、とてもよいスパイスになっています。

 

読了後、心から「面白かった~!!」といえる作品。

次回作も期待しちゃいます。

 

 

評価:8/10点

 

 

 

重力ピエロ

発行日:2003年4月22日
発行元:新潮社

  • アスミック・エース配給で、仙台・宮城は先行的に2009年4月25日に。その他全国は、2009年5月23日に公開。

 

あらすじ(裏表紙より抜粋させていただきました)
 兄は泉水、二つ下の弟は春、優しい父、美しい母。家族には、過去に辛い出来事があった。その記憶を抱えて兄弟が大人になった頃、事件は始まる。連続放火と、家事を予見するような謎のグラフィティアートの出現。そしてそのグラフィティアートと遺伝子のルールの奇妙なリンク。謎解きに乗り出した兄がついに直面する圧倒的な真実とは・・・。溢れくる未知の感動、小説の奇跡が今ここに。
 
重力ピエロ:ひとこと感想と評価(2019年8月1日読了)

序盤は、思ってた以上にシリアスな展開に少し身構えます。

 

母が暴行の末妊娠させられ、さらに、「産むか・降ろすか」といった苦しい選択を強いられる。

 

非常にデリケートな問題を題材にしているため、普通はどんより重い展開になりがちですが、テンポ良く話しが進んでいきます。

 

「兄弟の絆」を強く感じることのできる作品です。

読了後、心がホッとしました。

 

 

評価:7/10点

 

 

 

アヒルと鴨のコインロッカー

発行日:2003年11月25日
発行元: 東京創元社

  • 映画化、宮城県では2007年5月12日に先行公開、その他の地域は6月23日に公開。配給:ザナドゥー

 

あらすじ(裏表紙より抜粋させていただきました)
 引っ越ししてきたアパートで出会ったのは、悪魔めいた印象の長身の青年。初対面だというのに、彼はいきなり「一緒に本屋を襲わないか」と持ちかけてきた。彼の標的は・・・立った一冊の広辞苑!?そんなおかしな話に乗る気などなかったのに、なぜか僕は決行の夜、モデルガンを手に書店の裏口に立ってしまったのだ! 注目の気鋭が放つ清冽な傑作。第25回吉川英治文学新人賞受賞作。
 
アヒルと鴨のコインロッカー:ひとこと感想と評価(2019年4月10日読了)

初対面の隣人にいきなり「一緒に本屋を襲おう!」と持ちかけられる。

 

導入部でのこのやたらと強引な「つかみ」は完璧で、「アヒルと鴨のコインロッカー」といえば、本屋を襲おう!と、ボブデュランといわれるほど。

 

さて物語ですが、「今」と「2年後」の2つの時間軸で進行するため、意識しながら読み進めないと「現在地」が分からなくなります。ご注意を。

また、序盤から多くの伏線が配置されますので、ややもっさりした印象もありますが、最終的にはきちっと回収してくれます。

 

コインロッカーを「神様を閉じ込める場所」とする発想が面白かったです。

 

 

評価:6/10点

 

 

 

ラッシュライフ

発行日:2005年5月1日
発行元:新潮文庫

  • 2009年6月13日、東京芸術大学の映像研究科生が映画化

 

 

あらすじ(裏表紙より抜粋させていただきました)
 泥棒を生業とする男は新たなカモを物色する。父に自殺された青年は神に憧れる。女性カウンセラーは不倫相手との再婚を企む。職を失い家族に見捨てられた男は野良犬を拾う。幕間には歩くバラバラ死体登場・・・。並走する四つの物語、交錯する十以上の人生、その果てに待つ意外な未来。不思議な人物、機知に富む会話、先の読めない展開。巧緻な騙し絵のごとき現代の寓話の幕が、今あがる。
 
ラッシュライフ:ひとこと感想と評価(2019年5月11日読了)

さて概略ですが、

序盤は、5本あるそれぞれのストーリーが一気に立ち上がるため、話のつながりがわからず「若干のパニック」に陥ります。

 

中盤以降、5本のストーリーがきれいに線でつながりますが、この本の醍醐味はここにあると感じました。断片的だったストーリーが少~しずつ結合していく感覚が気持ちいい。たびたびページを戻して読み返しては「なるほど」と納得する。

 

それともう一つ。トリックが面白い!

お気に入りは、バラバラのはずの死体がくっついて動き出すトリックです。これは面白かったですね。コミカルホラーっていうんでしょうか?ユーモアがあって斬新でした。

 

再読推奨です。

また違った面白さを感じれる作品だと思います。

 

 

評価:6/10点

 

 

 

オー!ファーザー

発行日:2010年3月26日(新聞での連載は2006年)
発行元:新潮社

  • 映画化:2014年5月24日 配給:ワーナー・ブラザース映画

あらすじ(裏表紙より抜粋させていただきました)
 父親が四人いる!?高校生の由紀夫を守る四銃士は、ギャンブル好きに女好き、博学卓識、スポーツ万能。個性溢れる父×4人に囲まれ、息子が遭遇するは、事件、事件、事件—。知事選挙、不登校の野球部員、盗まれた鞄と心中の遺体。多声的な会話、思想、行動が一つの像を結ぶとき、思いもよらぬ物語が、あなたの眼前に姿を現す。伊坂ワールドの第一期を締めくくる、面白さ400%の長篇小説。
 
オー!ファーザー:ひとこと感想と評価(2020年3月16日読了)

気軽に読める娯楽小説です。

 

中盤までは、登場人物の紹介とぽつりぽつりと伏線配置の様相。

中盤以降は、「盗まれたカバン」「心中事件」という謎を追う展開に発展し、グイグイ物語に惹き込まれます。

 

父親が4人という設定ですが、

由紀夫とそれぞれの父親という「線」の関係ではなく、

由紀夫を父親4人がとり囲む「円」といった印象で、血は繋がらずともそれ以上の強い絆で繋がっていることを感じました。

 

こちらの小説、542ページとボリューム多めですが、序盤から終盤まで軽快なテンポが続きますので、サクッと読み切れます。

 

 

評価:6/10点

 

 

 

グラスホッパー

発行日: 2004年7月30日
発行元:角川書店

  • 映画化:2015年11月7日に公開 配給:KADOKAWA / 松竹

あらすじ(裏表紙より抜粋させていただきました)
 
 『復讐を横取りされた。嘘?』元教師の鈴木は、妻を殺した男が車に轢かれる瞬間を目撃する。
どうやら「押し屋」と呼ばれる殺し屋の仕業らしい。
鈴木は正体を探るため、彼の後を追う。一方、自殺専門の殺し屋・鯨、ナイフ使いの若者・蝉も「押し屋」を追い始める。
それぞれの思惑のもとに――「鈴木」「鯨」「蝉」、三人の思いが交錯するとき、物語は唸りをあげて動き出す。
疾走感溢れる筆致で綴られた、分類不能の「殺し屋」小説!
 
グラスホッパー:ひとこと感想と評価(2020年9月24日読了)

『鈴木』『鯨』『蝉』、この3人それぞれの視点から描かれる。

一人当たりの視点が数ページと短いため、目まぐるしくスピード感を感じるが、どうしても重複した説明が多くなるため、展開の進み方が遅く感じる。

 

 それでも、魅力的な登場人物に引っ張られる形で、中だるみすることなく読み続けられる。

 特に、『鯨』『蝉』『槿』の3人の個性の設定が秀逸だった。

 

 読了後の率直な感想は、「?」となった。

 この終わり方は正直好きではない。腑の落とし方は読者に任せるというメッセージを投げられてるようで、ここまで読んできて筆者の『想い』を読み取ることができなかったという残念感しかない。

 

※ここからネタバレあり

 とりあえず、このままでは腑に落ちないので、いったん本を閉じて回想、さらにページを遡って復習。

 なるほど、鯨は鈴木を『押し屋』と勘違いして自殺に追い込むが、槿に助けられたんだなと。そして、鯨の『過去の清算』は実現し、槿が生き残った。この後、鈴木は記憶もなく品川駅まで飛ばされる(これも謎)

 しばらく後に起こる、比与子の飛び込み自殺。(この因果関係も謎)

 

 そして半年後、亡き妻との思いでの地、広島の高層ホテルでモーニングを摂る。そこで亡き妻との出来事を別の初老の男性と再現する。

 東京へ戻る駅の向かいのホームで、槿の子供たちと再会する幻覚を覚える。

 

 んー、どのように自分に腑に落とすのか、それが難しい。

 鈴木は、最後まで生きていて、ただ幻覚を見ているだけなのか。

 それとも、鯨が押された際に、実は自分も死んでいるのか。

 

 先に記した(謎)の部分もはっきりせず、読了後は曖昧模糊とした状態。

 自分の読解力のなさのためか、ただ自分に合わなかったのか。道中楽しく、ラストに期待していた分、残念感が強く残った一冊でした。

 

 

評価:6/10点

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