【有川浩】おすすめ小説(あらすじ・感想・評価)

小説

著者:有川浩の紹介と代表作品

1972年6月9日、高知県高知市生まれ。

2003年に『塩の街 wish on my precious』で電撃ゲーム小説大賞を受賞し、翌年デビュー。
2006年、4作目である『図書館戦争』シリーズを出版。

インタビューでは、一般文芸に活動の範囲を広げた現在でも自らを「ライトノベル作家」と称している。

 

塩の街

発行日/発行元:2004年2月 電撃文庫 / 2007年6月 メディアワークス / 2010年1月 角川文庫

 

あらすじ(裏表紙より抜粋させていただきました)
 塩が世界を埋め尽くす塩害の時代、塩は着々と街を飲み込み、社会を崩壊させようとしていた。その崩壊寸前の東京で暮らす男と少女、秋庭と真奈。世界の片隅で生きる2人の前には、様々な人が現れ、消えていく。だが・・・「世界とか、救ってみたくない?」。ある日、そそのかすように囁く者が運命を連れてやってくる。『空の中』『海の底』と並ぶ3部作の第1作にして、有川浩のデビュー作!番外編も完全収録!!
 
塩の街:ひとこと感想と評価(2019年7月4日読了)

塩害により、徐々に塩に埋め尽くされていく世界が背景。

原因は「暗示性形質伝播物質」で、塩の結晶が目に入ると、暗示性の「なんか」の物質により身体が塩化するという。「塩は着々と街を飲み込み、社会を崩壊させようとしていた。」とあり、塩が意思を持つ設定(塩自体は意思を持つが動けない)も面白い。

 

・秋庭の男気と包容力

・入江の聡明な小賢しさ

・そして真奈の純粋さ

キャラクターもしっかり性格付けされていて、読みながら立場について混乱することは一度もなかった。

 

まとめると、テンポ良く読める「近未来SF恋愛小説」って感じですかね。清々しい気持ちで読了できるのは間違いなしです。

 

 

評価:6/10点

 

 

 

 

 

空の中

発行日:2004年11月
発行元:メディアワークス

 

あらすじ(裏表紙より抜粋させていただきました)
 200X年、謎の航空機事故が相次ぎ、メーカーの担当者と生き残った自衛隊パイロットは調査のために高空へ飛んだ。高度2万、事故に共通するその空域で彼らが見つけた秘密とは?
一方地上では、子供たちが海辺で不思議な生物を拾う。大人と子供が見つけた2つの秘密が出会うとき、日本に、人類に降りかかる前代未聞の奇妙な危機とは——すべての本読みが胸躍らせる、未曽有のスペクタクルエンタテイメント!!
 
空の中:ひとこと感想と評価(2020年5月6日読了)

太古の昔より、空に棲む特異な「白い物体」。

質量はあるが、自分の意志によって透過させることも、電波を吸収することもできる。そのため、肉眼での視認や、現代兵器に搭載してあるレーダーでは探知することすら不可能であり、さらに「雷」を武器に持つこの物体は紛れもなく「世界最強兵器」である。

 

この「白い物体」に、衝突死したパイロットの子供「瞬」は、たまたまその衝突時に剥落した「白い物体の一部」を海辺で見つけ、ペットのように飼育する。

 

また、日本政府は「白い物体」から国民を守るため、停戦・同盟協定を締結しようと「春名」をリーダーにプロジェクトを立ち上げる。目標は、「白い物体」から剥落した一部と、分裂した「白い物体」をもとの姿に戻すこと。

 

物語の図式は、

日本政府vs瞬と真帆チーム

 

この「真帆」って子の論述スキルが異常なくらい高く、政府プロジェクトの「春名」と会議で答弁するシーンが物語の山場になります。

 

 

この小説の読みどころは、

①「春名」と「真帆」の知恵比べ。

②宮じいの心温まる深いい言葉。

③高知弁に癒される。

この3点に尽きます。

 

小説は、500ページを超える大作ですが、著者自ら仰ってる通り「ラノベ調」であるため、サクサク読める点は◎ですね。しかも「宮じい」の深いい言葉も数多く、いくつか下記に引用しておきますが、総合的に満足できる作品でした。

 

【宮じいの深いい言葉】

 

人間は間違う生き物やき、それはもうしょうがないがよ。

何回も間違うけんど、それはそのたびに間違うたと思い知るしかないがよ。
間違うことをごまかしたらいかんがよ。
次は間違わんがと思いながら生きていくしかないがよ。

けんど、わしはこの年になってもまだまだ間違うぜよ。
げに人間は業が深い。
死ぬまで我と我が身を律しちょかないかんがやき。

 

 

 

評価:7/10点

 

 

レインツリーの国

発行日:2006年9月29日
発行元:新潮社

  • 映画化:全国190スクリーンで、2015年11月21日より公開し、映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)で初登場第1位となった(配給 – ショウゲート)

 

あらすじ(裏表紙より抜粋させていただきました)
 きっかけは1冊の本。かつて読んだ、忘れられない小説の感想を検索した伸行は、「レインツリーの国」というブログにたどり着く。管理人は「ひとみ」。思わず送ったメールに返事があり、ふたりの交流が始まった。心の通ったやりとりを重ねるうち、伸行はどうしてもひとみに会いたいと思うようになっていく。しかし、彼女にはどうしても会えない理由があった・・・。不器用で真っすぐなふたりの、心あたたまる珠玉の恋愛小説。
 
レインツリーの国:ひとこと感想と評価(2019年10月11日読了)

聴覚障害の女性と、健常者である男性との恋愛ストーリー。

 

障害を持たれてる方は、どうしても健常者との間に「ライン」を引いてしまい、それは健常者側から簡単には取り除けない「壁」となっていること。

何度も何度もハンマーを振り下ろして、どうにかして「壁」を取り除きたい伸行と、ハンマーを握ることすら躊躇するひとみ。

 

この小説の面白さは、伸行のおこした行動がどのように「ひとみに」に伝わり、そして、どう咀嚼するのか。このあたりだと思います。

 

しかし、有川浩さんの心理描写は絶妙ですね。ページをめくる手が汗ばむほど感情移入しちゃいました。

 

 

評価:7/10点

 

 

 

 

 

 

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