頭に来てもアホとは戦うな!:田村耕太郎【紹介・レビュー】

頭に来てもアホとは戦うなビジネス
頭に来てもアホとは戦うな

世の中の「アホ」と渡り合える、いや、そのアホの”力”をこちらのパワーにかえる術を紹介しています。

 

印象に残った箇所をいくつか抜粋し、感想をメモしました。

 

「生意気は元気な証」だなんて思うな

自分に刃向ってきた後輩を快く迎え入れる。昔の青春ドラマでよくあった話だ。

しかし私が知る限り、自分に刃向ってきた人間を、その理由がどうあれ、受け止めて評価するようなことはまずない。

まず自分に刃向ってきた人間のことは、ほとんどの人が忘れない。しかも、あまりいい意味ではなく、ネガティブな印象を持ったまま執念深く覚えている。

喧嘩して友情が深まるのはドラマや漫画の世界だけだ。「金持ち喧嘩せず」というように、成功者は時間をかけ知恵を使って、戦わずして勝つやり方を選ぶ。相手がやられたと気付かないように、相手の力をうまく使いながら自分の欲しいものを手に入れていく。正面切って戦って、返り血を浴びたり、恨みを買ったりしないように、静かに確実に目的に近づけばいいのだ。

怒るな・怒鳴るな・荒げるな!

どんな理由・状況であれ、感情にまかせて反論したり怒鳴ったりすると、執念深く相手から恨まれます。

 

「正当な理由があるから怒鳴られて当たり前だ!」と言いたい気持ちはわかりますが、感情的になった時点でOUT。豚畜生と同じです。

 

怒鳴る=感情優位の状態、この時点で議論のテーブルから自ら降りることになり、圧力で相手を屈服させることが目的となってしまう。

 

君主論でもたびたび「民衆の恨みはかうな」と戒められています。

殴られる・怒鳴られる・精神的に追い込まれる。これらは脳が本能的に生命の危機と判断し、忘れないようインプットされます。

 

一瞬の感情をコントロールできず、一生消えないキズ(記憶)を相手に残さないよう注意しましょう。しかもこのキズは増えることはあっても、決して消えないことを忘れないでください。

 

 

耐えて耐えて、耐え抜いた人が勝つ

忍耐と言ってもずっと我慢しろというわけではない。即答、即応してはいけないといっているのであり、まず嫌なことがあっても、グッと受け止めることに忍耐力を使うべきである。

成熟したビジネスパーソンになるためには、リアクションを起こす前にじっくり受け止めて考えるようにすべきだ。まず何よりもこの癖をつけよう。

衝突の可能性がある場合ほど、素早くその場を離れた方がいい。高等戦術になるが、その場を離れたことが、何らかの意思表示であると相手に伝えることになる。つまり相手に「こいつダメージを受けたな」と思わせておけばいいのだ。

「耐えろ!」と言われる場面って、結構切迫した場面で感情も昂ってますよね。その難しい状況で「耐える」ためには、もし耐えなければ重大なリスクを背負うことを理解してください。(感情的にならないために、上の項参照)

 

ビジネスパーソンに限らず、プライベートでもパートナーとのコミュニケーションのなかで必ず感情優位になる瞬間があります。

この瞬間を一旦受け止め、自分が今から発しようとしている言葉を生産的か判断し、そうでなければグッと飲み込みます。

ひとつ注意ですが、飲み込んだ言葉が適切でなかった場合でも、無理して相手の言い分に迎合する必要はありません。気分転換にお手洗いにでも行って気持ちを落ち着かせてください。

 

私事ですが、上司と会話中、自分の思い描いてることに否定的な意見を述べられると、ついその瞬間に「でも・・」と、口が出てしまいます。後で反省しますが、思い返してみると非常に幼稚な反応で情けなくなります。

著者のおっしゃる、「即答・即応せず一瞬でも受け止めろ」は、まことに金言だと思います。

 

 

きまずいときこそ、無理にでも話しかける①

もし、あなたに自分の目的達成のためにどうしても味方にしたい人物がいるとしよう。しかし、その人がどうしても折り合いのつかない人物だったら、どうすべきか?

究極の手段だが、その相手に「その人から受けている嫌な行為への対処方法」について相談するのが効果的だ。つまり相手がやっている行為を、ほかの人がやっている嫌がらせだとして、相手にその嫌がらせへの対処方法を聞きに行くのだ。

これはかなりの高等戦術である。自分をいやらしく無視したり、無理難題を押し付けたり、仲間外れにしたりする人がいたら、そのアホに「私を無視したり、仲間外れにしたり、無理難題を押し付けてくる人がいるんです」と相談に行ってみるといい。

これはかなり効く。ドキッとしながらあなたの相談に親身になって答えようとして、その後も、あなたに出した答えの期待に添うように、行動を修正してくれる可能性が高い。

著者自ら ”高等戦術” とおっしゃってますが、顔を見るだけでもイヤや相手に対して、さらに懐に入って相談しろというのはハードル高いなと思いました。

 

正直、演技力皆無のぼくにはできません。

やるなら普段の会話の中で、「パワハラとかありえないですよね」とか、「仕事でキレるやつってゴミ虫ですね」という風に非常線を張っておくことは有効かもしれない。そんな悠長なことをいってられない状況であれば試してもいいかも。

 

 

きまずいときこそ、無理にでも話しかける②

険悪になりそうなときほど何らかの形でコミュニケーションを取るべきだということ。

最悪なのは、苦手意識を持つあまりに、必要な時にもかかわらず、一切コミュニケーションを取ろうとしないことだ。

今の日中関係が典型的な例だ。最悪の時期にコミュニケーションを断つことほど危険なことはない。険悪な時に話さないと、あるのはお互いに対する最悪のシナリオを前提とする深読みしかない。人間関係でも国家関係でもそうだが、最悪のシナリオを前提とする相手への深読みが始まれば、事態はエスカレートする一方となる可能性が高い。

過剰な深読み合戦のループに入ってしまえば、相手の悪意のない何気ない行動さえも、”悪意ある行為”と深読みしてしまいがちだ。

嫌いな人と険悪になりつつあるときこそ、無理して親しく話す必要はないが、頻繁にコミュニケーションを取り、それ以上関係を悪化させないことだ。最悪、顔を合わせておくことだ。無理に言葉を発しなくても、敵対しているわけではないという表情やしぐさは見せておいたほうがいい。顔も見たくないという気持ちもわかるが、顔も見なければ悪い方への深読みは始まってしまう。

上司が苦手だからといって、必要な時にもかかわらず、一切コミュニケーションを取ろうとしないのは最悪ですね。

 

著書では、コミュニケーションの機会が減ると「深読みするようになる」と表現していますが、理屈はもっと簡単で、人は、声をかけてくる人を敵と認識しません。逆に言うと、一切声をかけてこない人がいると、「わたしのことを避けているのか?嫌っているのか?」と思うのが普通です。

あまり疎遠にならない程度に、言葉を交わすようにしましょう。

 

また、気を付けたいのは、相手の顔を見ないで話すことです。

これは、前述した「必要な時にもかかわらず、一切コミュニケーションを取ろうとしない」と同じく、

顔を見るべきときに見ない=避けている、嫌っていると思われかねません。

仕事中に声をかけられたとき、パソコンをしながら「はい、なんでしょうか?」ぼくも無意識にやっちゃいますが、これはNGです。誰に対してもリスペクトの気持ちをもって対応しましょう。

 

 

腰の低い人ほどデキる人が多いのはなぜか?

成功して腰が低くなる人もいる。本当の成功者になれば、腰が低いことの意義が自然とわかってくるからだ。「実ほど首を垂れる稲穂かな」ということだろう。それは成功する人は戦略的で頭がいいからだ。成功すれば腰を低くしたほうがいいことばかりなのである。権力を握るアホもある意味戦略的で、人を選んで腰を低くしている場合が多い。その反動からか、特定の人間に憂さ晴らしできつく当たったり、人によって態度を変えすぎたりするのは気に障るが。

成功しない人は口惜しさや嫉妬の気持ちから自分を大きく見せようと腰を高くする。それは哀れで滑稽である。

成功者とは一般の人より多くの責任を背負っていることが多く、言動、ふるまいが丁寧になることで腰が低く見えるのだと思う。

 

権力者のタイプ

①人を見て腰の高さを調整するアホ権力者。

②だれに対しても腰低く丁寧に対応する権力者。

 

①の権力者は組みしやすい。気持ちよくなるように適当にゴマすっとけばいい。②の権力者にはごまかしは通用しない。正面から誠実に向かい合うこと。

ということで、こちら側も相手のタイプを見て対応を間違えないようにしたい。そのためには、人を見る目を養う必要があるが。

 

 

感想(まとめ)

素直に共感できた項を備忘録として書き留めました。

全般読んだ感想ですが、前半部分はタイトルの通り「アホと戦うな!」に関連した内容になっており参考になりましたが、中盤あたりから、著者の海外経験談や議員でのエピソード、さらにスーツの着こなし方やアドラー心理学でいう「承認欲求の否定と、他人の人生を歩むな」と、ややタイトルと離れた内容が多い印象を受けました。

こちらの本、タイトルがひときわ目を引きますが、「ビジネスでの上手な立ち回り方について」のまとめ本という印象でした。

 

 

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