【奥田英朗】おすすめ小説(あらすじ・感想・評価)

小説

著者:奥田英朗の紹介と代表作品

1959年10月23日、岐阜県岐阜市で誕生。

プランナー、コピーライター、構成作家を経て1997年『ウランバーナの森』でデビュー。

2002年『邪魔』第4回大藪春彦賞
2004年『空中ブランコ』第131回直木三十五賞
2007年『家日和』第20回柴田錬三郎賞
2009年『オリンピックの身代金』第43回吉川英治文学賞

 

イン・ザ・プール

発行日:2002年5月
発行元:文藝春秋

  1. イン・ザ・プール
  2. 勃ちっ放し
  3. コンパニオン
  4. フレンズ
  5. いてもたっても

あらすじ(裏表紙より抜粋させていただきました)
「いらっしゃーい」。伊良部総合病院地下にある神経科を訪ねた患者たちは、甲高い声に迎えられる。色白で太ったその精神科医の名は伊良部一郎。そしてそこで待ち受ける前代未聞の体験。プール依存症、陰茎強直症、妄想癖…訪れる人々も変だが、治療する医者のほうがもっと変。こいつは利口か、馬鹿か?名医か、ヤブ医者か?
 
イン・ザ・プール:ひとこと感想(2020年7月読書中)

1、イン・ザ・プール

 原因不明の体調不良を改善するため、昔得意だった水泳で適度な運動をとることを決意するも、久しぶりに泳いだ充実感がクセになり、水泳に対して異常な執着を持つようになる。

 水泳仲間となる、伊良部医師と助手の看護師も何やら謎めいた雰囲気があり、妻の尚美とも水泳をめぐりトラブルに。職場では、部下の佐藤君の尻ぬぐいでプールへ行くこともできずイライラがつのり情緒不安定に。

 

 ただただ、プールで泳ぎ続けたい気持ちと、水泳への『愛』がつづられた作品といった印象。フィクション色が強く、共感という点ではイマイチ。設定も豪快でユーモアではあるが、無理やり感は否めない。

 

評価:5/10点

 

 

2、勃ちっ放し

 こちらも、イン・ザ・プールと同様に設定が面白い。症例も解説されているのでリアリティを感じながら、主人公の苦悩を共感することができました。

 同じ男性の立場から考えると、不謹慎ですが少し羨ましいような(笑)

 

 念のために『陰茎強直症』を調べてみると…

 

12 – 24時間以上継続すると非常に危険

※ウィキペディア(持続勃起症より引用)

 心当たりのある方は、早めに医療機関の受診をおすすめします。

 

評価:6/10点

 

 

3、コンパニオン

 24歳の美人でスタイル抜群のコンパニオンが主人公。

 夢は大人の雰囲気を醸し出せる女優。そのためにせっせとオーディションを受けるも、同じ事務所の後輩と不毛な争いをしたがために、夢まであと一歩のところまで行きながら、自らオーディションの舞台から降りる羽目になる。

 争いの輪廻から抜け出した広美は、数年ぶりに自然の空気を胸いっぱいに吸い込むことができるようになったという話。

 

 ストーリー自体は、特別凝っているわけではないが、広美の毒々しい心の声が聞けるのは楽しかった。

 

評価:4/10点

 

 

4、フレンズ

 携帯メール依存症の高校生(雄太)の物語。

 この題材で、主人公が男ってのが珍しい。

 承認欲求の塊のような人間がメール依存になった典型的な例で、小さな自分を大きく見せるため自分自身を嘘で塗り固めてしまう。

 友達に仲間に入れてもらえず本当は死ぬほど悔しく腹が立つが、体裁を保つためにありもしない嘘がツラツラと口から出るようになる。

 

 この作品、共感する部分が多かったですね。

 自分をトゲから守るために、嘘という結界を張る。何重にも結界を張ることで、他人からは雄太の存在が玉虫色に見えるようになってしまう。人間なんて、赤いときは赤くていいし、黒いときは黒でいい。

 

評価:7/10点

 

 

5、いてもたっても

 自分が関与したことに、異常なまでの責任感を感じる主人公の話。タイトルそのまま「いてもたってもいられない」ということなのだが、この心の病を治すために伊良部医師が過激な「行動療法」を行う。その結果・・・。

 

 主人公の心の病を治すための「行動療法」の必要性と、結果的に2つのスクープをあげる関係性がいまいちピンとこなかった。

 

評価:4/10点

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