著者:高野和明の紹介と代表作品
1964年10月26日、東京都生まれ。
1996年、宮部みゆき『魔術はささやく』『火車』を読んで小説を書きたいと思い、執筆をはじめる。
2008年『6時間後に君は死ぬ』がWOWOWでの映像化に伴い脚本を担当。
2001年『13階段』で第47回江戸川乱歩賞受賞。
2011年『ジェノサイド』で山田風太郎賞受賞。
2012年『ジェノサイド』で日本推理作家協会賞受賞。
グレイヴディッガー
発行日:2002年7月 / 発行元:講談社
あらすじ(裏表紙より抜粋させていただきました)
八神俊彦は自分の薄汚れた人生に区切りをつけるため、骨髄ドナーとなり白血病患者を救おうとしていた。しかし移植を目前にして、都内で連続猟奇殺人が発生。事件に巻き込まれ、容疑者として手配された八神は、命がけの逃走を開始する―。八神を追う警察、謎の集団、そして殺戮者・墓掘人。八神は追跡をかわし、患者の命を救うことが出来るのか?稀代のページターナーが放つ、ノンストップ・エンタテインメント!
グレイヴディッガー:ひとこと感想(2020年9月17日読了)

本書のうたい文句『ノンストップエンタテインメント』の通り、凄まじいスピード感で読了まで一直線!
主人公である、八神があらゆる手段を使って逃げまくる!
ある時は水の中、ある時は線路の上、ある時はパトカーで。
なぜそこまでして逃げるのか!?
そこが面白い。
なぜなら、自らドナーとなって人の命を救うため。命がけで逃げまくる。
手に汗握る逃避行劇。
さらに、だれが『M』で、だれがグレイヴディッガーなのか。
じっくりコーヒーでも飲みながら推理したいが、落ち着く暇のない八神がそうはさせない(笑)
作中、中世の魔女狩りや、骨髄移植知識も勉強できたのは大きな収穫。
スピード狂の方には文句なしにオススメです。
【特に印象に残ったシーン】
ある男が、喉を切られて絶命する場面
異様な絶叫を耳にして、八神は足を止めた。その叫び声は、ゴボゴボという水疱が沸き上がる音を含んでいた。
階下に耳をそばだてながら、誰かが喉を切られたのだろうと八神は考えた。叫んでいる男は、気管に噴出した自分の血でうがいをしているのだ。
作者の想像で書いているのか、それとも誰かに聞いた話しなのか。この秘密の暴露的なリアリティが、恐怖を一層際立たしている。
評価:7/10点
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